サステナビリティ トップメッセージ

トップメッセージ

仕事に誇りと情熱をもって、他社より一歩先を行く会社にする為に、ステークホルダーの皆様と「共に歩み・共に成長する」企業として社会に貢献してまいります

宮地エンジニアリンググループは、1908年(明治41年)に基幹会社の宮地鐵工所が創業してから100年以上の歴史ある会社です。現在の宮地エンジニアリンググループについてご理解頂くために、業態の特性故の苦難の歴史から説明させて頂きます。
宮地鐵工所は、本州四国連絡橋建設計画に備えるために広島県に新工場建設計画を立て大型の投資をしましたが、1974年のオイルショックにより突然、本州四国連絡橋の建設計画が無期限で延期され、大きな負債を抱えることになったため、新工場計画を断念することになり、約500人の社員を削減しました。また、宮地鐵工所から分離独立した宮地建設工業においても、1984年に発生した大型工事の事故による経営危機がありました。また、平成の時代にも公共事業費の大幅削減等の影響を受け、2010年には60年の歴史を持つ松本工場を閉鎖しました。その翌年の2011年に宮地鐵工所と宮地建設工業を合併させて宮地エンジニアリングと社名を改め、事業再建を図りましたが、この期の業績は売上174億円、営業利益4億円でした。業界トップクラスへ返り咲き生き残るために、M&Aを含むアライアンス先を検討していて候補として浮上したのが、橋梁事業の再建に苦しんでいた三菱重工鉄構エンジニアリング(現エム・エム ブリッジ)で、弊社と同様にかつては業界トップクラスの企業として、本州四国連絡橋など数々の長大橋建設の実績を持った会社でした。三菱重工とは、古くは本州と九州をつなぐ関門橋建設で宮地・三菱・横河JVを組成し、1973年の開通時点では日本および東洋最長の吊り橋を建設した実績があります。その後も良好な関係を続けており、両社にとってアライアンス先として最適と判断し、宮地エンジニアリンググループがエム・エム ブリッジの株式を51%取得してグループ傘下に引き入れ、グループの経営体制を強化することができました。この時の鋼橋メーカーのシェアは、宮地エンジニアリングが7位で4.3%、エム・エム ブリッジが8位で4.0%という状況でしたが、2022年3月期決算時には売上580億円、営業利益58億円、シェアも10%以上にまで成長することができました。

宮地エンジニアリンググループの強み

宮地エンジニアリンググループは、戦後復興の象徴として開催された1964年の東京オリンピックの直前に、首都高速道路の最難関工事のひとつと言われた江戸橋ジャンクションの工事を最先端の設計理論、前例のない架設技術を用いた施工、東京タワーを建設した職人集団の活躍で期待通り完工することができました。その技術は、吊り橋黎明期の関門橋での架橋技術へとつながり、建設当時、世界一の吊り橋となった明石海峡大橋へと受け継がれました。また、日本一のトラス橋の港大橋(大阪湾)、東京ゲートブリッジなど土木学会での最高栄誉賞である「田中賞」も多く獲得しております。
さらに、鉄道橋においては、東海道新幹線をはじめとして、北陸・九州新幹線などの、高い施工技術を要する建設に数多く参画し、大空間構造物においても、東京タワーをはじめとして、東京スカイツリーなど時代を代表するタワー、2回目の東京オリンピックで水泳会場となった東京アクアティクスセンター、近年では北海道日本ハムファイターズホームグラウンドの「エスコンフィールド HOKKAIDO」、海底トンネル(沈埋函)など、数多くの特殊で非常に難易度の高い工事を手掛けています。
宮地エンジニアリンググループの強みは、継承されてきた高い技術力、経験豊富な人材、高い技能を持った協力会社が三位一体となった「総合エンジニアリング会社」であることです。
また宮地エンジニアリンググループは、大規模地震、豪雨等の自然災害が発生した場合に、国土交通省を始めとする道路管理者や鉄道事業者からの支援要請に応え、昼夜を問わず社会インフラの早期復旧に貢献している企業でもあります。

目指すべき姿と方向性

宮地エンジニアリンググループは、宮地エンジニアリングとエム・エム ブリッジを基幹事業子会社とする持株会社ですが、両社のシナジーを発揮する余地は、まだまだあると考えています。重工系の企業風土と専業としての風土の違いを相互で理解するために、あらゆる機会を捉え、両社の社員へ”意識改革”を求め、両社の協力によるグループ最適の事業運営を求めていましたが、まだ十分に浸透しているとはいえません。今後は人事交流などを積極的に進め、両社の良い点をさらに伸ばす施策を具体化し取り組み、さらに業界に限らず他社より劣る点を客観的に抽出し確実に改善していく計画を実施していきます。
特に力点を置く施策としては「女性活躍・外国人活躍」「持続的成長のための資本政策」「未来へ向けた投資」です。なお、社会的責任である「カーボンニュートラル」達成のための施策については、現在検討を進めていますので、ご説明についてはもうしばらくお待ちください。

「女性活躍・外国人活躍」は、社会全体のニーズであり建設業界として積極的に進めなければならない課題です。女性については、技術系社員、技能系社員とも積極的に採用し戦略化していきます。異文化の感性を持ち込むことは、会社活性化、意識改革のためにメリットが大きいと考えていますので、外国人の採用も積極的に進めていきます。

「持続的成長のための資本政策」としては、第一次オイルショック等の際に経験したような公共工事の大幅な削減、会社経営に大打撃を与えるような重大事故等がない限りは、配当性向30%を目安に、2022年3月期の配当金額である140円をベースとして、その維持向上を目指します。また、これからも資本政策の説明を充実していくとともに、非財務情報の開示にも努めてまいりますが、不足している情報があった場合については目標を定め、順次充実してまいりますので、ご理解をお願いします。

宮地エンジニアリンググループは、時代の激変にもまれながらも踏みとどまり成長してきました。歴史から得られた経験を活かし、さらなる飛躍のため人材・資本の充実を図り、仕事に誇りと情熱をもって、他社より一歩先を行く会社にする為に、ステークホルダーの皆様と「共に歩み・共に成長する」企業として社会に貢献してまいります。引き続き当社事業へのご理解とご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。